パワーウィンドウシステム 構造と作動

概 要

システム機能

  1. 各席での操作
    1. マニュアルアップ〈ダウン〉機能
      1. イグニッションスイッチON時,各席ドアに取り付けられた各席ドアスイッチをアップ側〈ダウン側〉に保持している間,各ドアガラスがアップ〈ダウン〉作動を行います。
    2. ワンタッチ式オートアップ〈ダウン〉機能:運転席ドアガラス
      1. イグニッションスイッチON時,運転席用スイッチをアップ側〈ダウン側〉に2段操作することにより,運転席ドアガラスは全閉〈全開〉までオートアップ〈ダウン〉作動を行います。
      2. オートアップ〈ダウン〉作動中にスイッチをダウン側〈アップ側〉に1段操作することにより,オートアップ〈ダウン〉作動を停止することができます。

  2. 運転席からのリモートコントロール操作
    1. マニュアルアップ〈ダウン〉機能
      1. イグニッションスイッチON時,マスタースイッチに取り付けられた助手席用/後席右側用/後席左側用スイッチをアップ側〈ダウン側〉に保持している間,各ドアガラスがアップ〈ダウン〉作動を行います。
    2. ウインドゥロック機能
      1. マスタースイッチのウインドゥロックスイッチを押すことにより,運転席ドアガラス以外のパワーウインドゥ操作ができないようにコントロールすることができます。
    3. 挟み込み防止機構:運転席ドアガラス
      1. オートアップ作動中にドアガラスが異物を挟み込んだ場合,ドアガラスは自動的に約50mm(約1秒間)ダウン作業を行います。この場合,ドアガラス開き量が約200mmに達していない場合は,開き量が約200mmになるまで(約5秒間)ダウン作動を行います。

パワーウインドゥモーターASSY

  1. 構 造
    1. パワーウインドゥモーター本体・パルス発生部(パルスプレートなど)・ギヤ部(リングギヤ・プラネタリーギヤなど)で構成されています。
    2. 運転席のパワーウインドゥモーターASSYに,挟み込み防止機構用として,パルス発生部およびセンサー部(リミットスイッチ・パルスセンサー)による挟み込み検出用センサーを設定しました。また,ガラスランの劣化などでドアガラスの全閉位置が初期設定より上方に移動した場合,内部に組み込まれたプラネタリーギヤにより,自動調整を行います。
      1. 挟み込み検出用センサー:運転席パワーウインドゥモーター
        1. 挟み込み検出用センサーは,リミットスイッチおよびパルス発生部で構成されており,リミットスイッチ信号およびパルス信号を挟み込み防止機構を制御するマスタースイッチに出力します。
        2. パルス発生部は,モーターの回転速度をパルス信号に変換しており,ドアガラスに異物を挟み込んだ場合,出力パルスが変調する構造となっています。
        3. リミットスイッチは,リングギヤに設けた不感帯により,異物を挟み込んだ場合の出力パルスの変調とドアガラスを閉じきる際の抵抗による出力パルス変調とを区別し,挟み込み検出区間(ドアガラス全開から全閉付近の区間)でON,ドアガラス全閉手前でOFFする構造としました。
      2. 全閉位置自動調整:運転席パワーウインドゥモーター
        1. 通常の場合,ドアガラスはパワーウインドゥモーターの回転により,リングギヤとプラネタリーギヤが同期して回転し,全閉付近まで上昇します。その後,不感帯に入り,リミットスイッチがOFFしてドアガラスが全閉位置に達するとパワーウインドゥモーターのトルクが上昇し停止します。しかし,ガラスランの劣化などでドアガラスの全閉位置が上方になると,トルクの上昇が遅れるためパワーウインドゥモーターは回転し続けますが,この時点でリングギヤはすでにストッパーに当たっておりこれ以上回転しません。このため,パワーウインドゥモーターはプラネタリーギヤのみ回転させてドアガラスを閉じきる自動調整を行います。

システム制御

  1. 作 動
    1. マニュアルアップ〈ダウン〉作動
      1. イグニッションスイッチONでマスタースイッチの運転席用スイッチをアップ〈ダウン〉側に1段操作すると,マニュアルアップ信号IC1が入力し,TrをONするとともにアップリレー〈ダウンリレー〉をONします。このとき,ダウンリレー〈アップリレー〉はアース回路を形成しており,したがって電流は+B→ヒューズ→BW端子→アップリレー〈ダウンリレー〉→DU〈DD〉端子→運転席パワーウインドゥモーター→DD〈DU〉端子→ダウンリレー〈アップリレー〉→アースと流れ,運転席パワーウインドゥモーターがアップ〈ダウン〉側に回転します。なお,運転席用スイッチから手を離すとアップリレー〈ダウンリレー〉がOFFして,運転席パワーウインドゥモーターは停止します。
    2. オートアップ〈ダウン〉作動:運転席ドアガラス
      1. イグニッションスイッチONでマスタースイッチの運転席用スイッチをアップ〈ダウン〉側に2段操作すると,オートアップ〈ダウン〉信号をIC1が入力します。IC1にはタイマー回路が設けられており,オートアップ〈ダウン〉信号入力時にはTrを最大10秒間ONし続けるため,スイッチから手を離しても運転席パワーウインドゥモーターは回転を継続します。その後,運転席ドアガラスが全閉または全開となり,IC2がモーターロックを検出するかタイマー回路がOFFすると,運転席パワーウインドゥモーターは停止します。なお,オートアップ〈ダウン〉作動中に運転席用スイッチをダウン〈アップ〉側に1段操作することにより,作動を停止することができます。
    3. マスタースイッチによる他席リモートコントロールマニュアル作動
      1. イグニッションスイッチON,ウインドゥロックスイッチOFF(スイッチを押し込んでいない状態)で,マスタースイッチの助手席または各席用スイッチをアップ〈ダウン〉側に操作すると,マスタースイッチB端子からの電流が各席パワーウインドゥモーターに供給され,各モーターがアップ〈ダウン〉側に回転します。なお,作動中にスイッチから手を離すか,各席ドアスイッチをダウン〈アップ〉側に操作すると,モーターは停止します。
    4. ウインドゥロック作動
      1. ウインドゥロックスイッチをON(スイッチを押し込んだ状態)すると,助手席および各後席パワーウインドゥモーターからアースへの電流を遮断し,助手席および各後席パワーウインドゥモーターの作動を禁止します。
    5. 挟み込み防止機構:運転席ドアガラス
      1. 作動概要
        1. 作動条件
          1. 下記3つの条件がすべて成立した場合,挟み込み防止機構が作動します。なお,電圧下降時またはアップ作動開始直後においてマスタースイッチは,挟み込み検出をしない場合があります。
          2. オートアップ作動時
          3. ドアガラスの位置が全閉位置直前以下。(モーターに内蔵されているリミットスイッチがON)
          4. 挟み込み時における荷重が検出値以上または,マスタースイッチによるモーターロック検出時。
        2. 挟み込み検出後の反転条件および降下量
          1. 挟み込み防止機構が働いて,約50mmダウンしてもドアガラスが開いている量(すき間)が約200mmに達していない場合は,約200mmになるまで反転作動を継続します。ただし,ダウン作動が約50mmに到達する以前にドアガラスが全開位置となった場合は,その時点で作動を終了します。
          2. 反転作動中はマニュアルおよびオートアップ作動の入力を禁止します。ただし,マニュアルアップ作動は反転作動終了後にいったんスイッチがOFFされた後,入力を受け付けます。また,マニュアルおよびオートダウンはスイッチの入力を受け付けますが,ダウン作動は反転作動終了後に行われます。
      2. 挟み込み反転作動
        1. 挟み込み作動条件を満たしたときに挟み込みが行われると,パルスセンサーからのパルス幅が増加します。これをマスタースイッチが検出すると,挟み込みと判定してアップリレーに流れていた電流を遮断し,同時にダウンリレーをONします。これにより,電流はダウン側に流れ運転席パワーウインドゥモーターを反転させます。
      3. フェイルセーフ
        1. フェイル検出
          1. マスタースイッチは,リミットスイッチOFF(運転席ドアガラス全閉)の状態でマニュアルダウン作動を開始した約2秒後に,1.リミットスイッチがONしない(リミットスイッチ異常),2.パルス入力がない(パルスセンサー異常)場合,マニュアル作動のみを受け付けます。
        2. フェイル検出後からの復帰
          1. マスタースイッチは,マニュアルアップまたはダウン作動中に連続したパルス入力を検出した場合,パルスセンサーが正常に復帰したと判断します。
          2. マスタースイッチは,マニュアルダウン作動を開始後,リミットスイッチのOFF→ONを検出した場合,リミットスイッチが正常に復帰したと判断します。