インテーク(1NZ−FE、2NZ−FE) 構造と作動
インテーク全般
前方吸気レイアウトの採用により,エアクリーナーホースの短縮が可能となり,吸気通路全体のコンパクト化をはかりました。
小型・軽量なホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーターをエアクリーナーケースに設けました。
小型・軽量なアルミ合金製のスロットルボデーを採用し,軽量化をはかりました。
インテークマニホールドは軽量な樹脂製で,構成部品を振動溶着とはめ込みで成型することにより吸気レゾネーター,およびサージタンクを一体化しました。
ホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーター
小型・軽量な樹脂製ホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーターを採用しました。これにともない,トランスミッション上側にエアクリーナーを搭載するとともに小型化をはかり,軽量化およびコンパクト化をはかりました。
ホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーターは,吸入空気の一部を検出部に流し,直接質量流量を計測することにより,検出精度の向上および吸気抵抗の低減をはかりました。
エアクリーナーからの吸気脈動の影響を受けにくいバイパス流計測としました。また,流体抵抗の少ない流路構造による低損失の実現をはかり,少量から多量の空気量を確実に計測できます。
構造と作動
構 造
ホットワイヤー式エアフローメーター
吸入空気の一部をバイパスさせ,熱線計量部で吸入空気量を測定します。熱線計量部はプラチウムフィラメント(白金熱線)を使用しており,吸気温度計測用の抵抗と加熱抵抗(ヒーター)の熱線でブリッジ回路を構成して,エンジンの吸入空気量を計測します。なお,ホットワイヤー式エアフローメーターの特性上,原理的に直接質量流量を計測できるため,吸気温度の変化に対する密度補正の必要はありませんが,EFIなどのエンジン制御では吸気温度の情報が必要となります。そのため,エアフローメーター内にコンパクトなサーミスタータイプの吸気温センサーを内蔵し,吸気温度を検出しています。
ブリッジ回路
下図のように結線され,R1×R4=R2×R3が成立するとき,V1=V2となり電流計Gの示す値は0となる回路です。
作 動
吸入空気量が変化した時には,熱線計量部のブリッジ回路により,吸気温度計測用の抵抗と加熱抵抗(ヒーター)との温度差を常に一定に保つように加熱抵抗への供給電力をフィードバック制御します。その供給電力を電圧に変換しエンジンコントロールコンピューターに出力します。エンジンコントロールコンピューターは,あらかじめ与えられたエアフローメーター出力電圧と流量の関係から,エンジン吸入空気量を算出します。
ホットワイヤー式エアフローメーターのブリッジ回路は下図の構成となっています。例えば吸入吸気量が増えた場合,加熱抵抗が冷やされRHの値が小さくなりRH(R1)×R4<RK(R2)×R3,VM≠VKとなります。制御部はこの状態を検出すると,電源からVBに流れる電流を増加(RHを加熱)してRH(R1)×R4=RK(R2)×R3,VM=VKとなるように制御します。
クールエアインテーク
エアクリーナー側の内径を大径,吸気取り入れ口側の内径を小径とすることで高周波成分を低減し静粛性に配慮しました。
蛇腹部分をふくむクールエアダクト本体を樹脂製とし,軽量化をはかりました。
吸気取入口を左ヘッドランプ後部に最適配置し,水および雪の進入に配慮するとともに吸入空気温度の低減をはかりました。また,ファンネル形状とすることによって,吸気抵抗の低減をはかりました。
エアクリーナーケース
小型・軽量な樹脂製ホットワイヤー式プラグインタイプエアフローメーターをエアクリーナーケースに設置しました。また,外枠やゴムシールを用いないフルファブリックエアエレメントを採用し,ケースを小型化するとともに,エレメントの廃棄性も考慮しました。
形状を最適化することにより,トランスミッション上側に配置してコンパクト化をはかりました。
キャップの取り付けをヒンジ構造としてクランプなどの構成部品を少なくし,軽量化をはかりました。
インテークマニホールド
構成部品をはめ込みおよび振動溶着で一体成形した樹脂製のインテークマニホールドを採用しました。
樹脂を用いることにより吸気温度の低減をはかるとともに,大幅な軽量化とコンパクト化をはかりました。また,ポート内側の面粗度向上により高出力化をはかりました。
ロングブランチ化とポート断面を徐変させることにより,低中速でのトルクアップと高出力化をはかりました。
インテークマニホールドガスケットはOリングタイプを採用し,サービス性に配慮しました。
負圧ポートをインテークマニホールドと一体成型し,構造の簡素化と軽量化をはかりました。
2NZ-FEと1NZ-FEでは,基本的な形状は同じですが,ポート径,ポート長およびサージタンク・レゾネーター容量などが異なります。
スロットルボデー
アルミ合金製で薄肉なスロットルボデーを採用しました。温水配管を設け,極寒時における機構作動の安定化をはかりました。また,スロットルリンクは樹脂製として軽量化をはかりました。
アイドル回転数制御(ISC)
スロットルボデーと一体化したR-ISCV(ロータリーソレノイドタイプ)により,スロットルバルブのバイパスを流れる空気量を調整してエンジン状態に応じた目標回転数にコントロールします。
1つのコイルにより駆動する応答性に優れたデューティー制御ISCV(R-ISCV)を採用しました。
構 造
R-ISCV
スロットルボデーに取り付けられており,エンジンコントロールコンピューターからのデューティー信号によりロータリーバルブの角度を変化させ,スロットルバルブをバイパスする空気量を制御します。空気量はコンピューター信号のON・OFFの時間の比(デューティー比)によって決めています。また,駆動回路をIC化し,R-ISCV内に内蔵しました。
作 動
始動時補助
エンジン始動時および始動後数秒間,デューティー比を上げてR-ISCV通過空気量を多くし,エンジンの始動性を確保しています。始動後は冷却水温に応じてデューティー比を変えて,エンジン回転数を制御します。
予測制御
電気負荷が変化したとき,エアコンスイッチを切り換えたときおよびA/T車ではシフト位置を“N”→“D”または“D”→“N”レンジへ切り換えたときにはエンジンにかかる負荷が変わりエンジン回転数が変化します。これらの信号を検出したとき,R-ISCVにそれぞれの条件に応じた信号を送り,R-ISCV通過空気量を変化させエンジン回転数の変動を抑えます。
フィードバック制御および電気負荷アイドルアップ
一定時間エンジン回転数を計測してアイドル回転数と目標回転数とに差がある場合に,R-ISCVに信号を送りR-ISCV通過空気量を変化させ目標回転数に近づけます。また,電気負荷に応じてアイドル回転数を上昇させ,エンジンアイドル時の安定化をはかっています。
エアコン作動時アイドルアップ回転数可変制御
エアコン作動時のアイドルアップ回転数をエアコンの負荷によって2段階に制御し,必要最小限のアイドルアップ回転数にすることにより,燃費および運転性の確保をはかりました。
パワーステアリング作動時アイドルアップ回転数制御
パワーステアリング作動時のアイドルアップ回転数をパワーステアリング油圧センサーによってリニアに制御し,運転性の確保をはかりました。