DTC    P1604    始動不良

準備品一覧


回路説明


STA信号が入力されているにも関わらず、エンジンが始動しない、始動時間が長い場合、および始動直後のエンジン回転数の落ち込み、エンストした場合にダイアグコードが記憶される。

ダイアグコードが記憶されたときの状況を、GTSを使用してフリーズフレームデータで確認することができる。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。

また、ガス欠による始動不良も記憶されるため、作業前にガス欠の有無を確認することが必要である。


ダイアグコード
SAE/TCCS
P1604
DTC検出条件
診断条件
(1)*1
STA信号ON
(2)*2
  1. 始動後(エンジン回転数が500rpm以上)、2秒以内
  2. エンジン冷却水温が-15℃以上
異常状態
(1)*1
エンジン回転数が500rpm未満
(2)*2
エンジン回転数が200rpm以下に低下
異常期間
(1)*1
下記イラスト参照
(2)*2
-
トリップ数
1トリップ
検出方法
常時モニター
検出に使用するセンサ/構成部品
  1. クランクポジション センサ
  2. E.F.I. ウォータテンパラチャセンサ
  3. STA信号回路

*1: 現象として、始動時間が短いまたはエンジンが始動しない場合

*2: 現象として、始動直後のエンジン回転数の落ち込みまたはエンストする場合


A244073J01



トラブルエリア
点火系
  1. スパーク プラグ
  2. イグニッション コイルASSY
燃料系
  1. フューエル インジェクタASSY
  2. フューエル ポンプ
  3. フューエル ポンプ制御系統
  4. フューエルプレッシャ レギュレータ ASSY
  5. フューエルライン
  6. エバポパージ系統
  7. 燃料品質(異物混入·劣化含む)
吸排気系
  1. EGRシステム
  2. インテークエアフロー メータSUB-ASSY
  3. インテークエアシステム(接続不良、デポジット堆積)
  4. スロットル ボデーASSY(モータ ツキ)
  5. クウネンピ センサ
  6. オキシジェン センサ
  7. カムシャフトタイミングオイルコントロール バルブASSY
  8. 動弁系統(VVTシステム)
  9. ブレーキ ブースタASSY
その他制御系
  1. エンジンコントロール コンピュータ
  2. ワイヤハーネスまたはコネクター
  3. ノックコントロール センサ
  4. E.F.I. ウォータテンパラチャ センサ
本体系
  1. サーモスタット
  2. エンジン本体
  3. エンジンマウント
外部負荷要因
  1. エアコン系統
  2. パワーステアリング系統
  3. 電気負荷信号系統
  4. CVTシステム


点検手順


□ 参 考 □
  1. P1604は、従来の部品、回路、システムの故障ダイアグと異なり、“エンジンが始動しない”などのお客様の指摘に対し、不具合現象、フリーズフレームデータから故障部品を判定するものである。お客様の操作により、ダイアグコードを検出する場合もあるため、ダイアグコードを出力していてもお客様からの不具合の相談が無ければ作業を行わず、ダイアグコードを消去して車両を返却する。
  2. 他のダイアグコードが表示されている場合は、先に該当するダイアグコードのトラブルシュートを行う。
  3. エンジンが始動できず、P1604が出力されない場合は、症状別一覧を参照する。(要領は参照)
  4. GTSを使用してフリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。
  5. マルチフリーズフレームデータ確認を行う時は、5データ確認する。(要領は参照)
  6. マルチフリーズフレームデータ確認時、不具合原因に該当する項目が複数あった場合は、該当するすべての診断項目手順を進める。
  7. フリーズフレームデータに記録されている不具合発生時の状況とできるだけ同条件でエンジン始動を行う。そのときのデータを確認し、フリーズフレームデータと比較する。
  8. 点検は不具合が再現していないことを考慮し、不具合発生時の兆候·状況を確認することに重点を置く。
  9. 点検を行う時は、該当するワイヤハーネスおよびコネクターを振って、常時発生しない不具合検出をより確実に行う。
  10. 手順において、同一の点検および交換を行う場合、2度目は省略してもよい。


手順1ダイアグコード読み取り
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果

    結果
    飛び先
    P1604が出力される
    A
    P1604以外にも、ダイアグコードが出力される
    B

    □ 参 考 □
    1. P1604以外のダイアグコードが出力された場合、そのダイアグコードを先にトラブルシュートすること。
    2. マルチフリーズフレームデータを使用して、ダイアグコード検出時及び検出後のデータを確認することによって、トラブルシュートに役立てる。



B
関連するダイアグコードチャートへ (要領は 参照)
A


手順2フリーズフレームデータ確認(ISC流量学習値)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、マルチフリーズフレームデータでダイアグコード検出時の車両状況を確認する。(要領は参照)

    結果

    マルチフリーズフレームデータ項目
    結果
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    ISC流量学習値
    5.8L/s未満
    -
    次の点検手順へ
    A
    5.8L/s以上
    スロットル ボデーASSY(モータ ツキ)
    始動不良診断フローの手順15以降を参照
    B



B
始動不良診断フローへ (要領は 参照)
A


手順3フリーズフレームデータ確認(エンジン回転数)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、マルチフリーズフレームデータでダイアグコード検出時の車両状況を確認する。(要領は参照)

    結果

    マルチフリーズフレームデータ項目
    結果
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    エンジン回転数
    すべて0rpm(クランキングしない、または正常に回転を認識できていない)
    1. スタータ系統
    2. クランクポジション センサ系統
    3. バッテリ上がり
    始動不良診断フローの手順5以降を参照
    A
    100 から500rpm(クランキングはするが、初爆がないまたは初爆が遅い)
    1. フューエル ポンプ作動不良
    2. フューエル インジェクタASSY油密不良
    3. スパーク プラグ
    4. イグニッション コイルASSY
    次の点検手順へ
    B
    500rpm以上(爆発はするが、すぐにエンジン回転数が低下)(始動後回転数低下履歴が“有”)
    1. スパーク プラグ
    2. イグニッション コイルASSY



B
手順 4 へ
A

始動不良診断フローへ (要領は 参照)  

手順4問診
  1. 問診を実施し、運転条件を確認する。

    □ 参 考 □
    長時間放置したときだけ始動性が悪い場合、フューエル インジェクタASSY油密不良によって始動不良が発生している可能性がある。


    結果

    結果
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    長時間放置(例えば1時間以上)したときだけ始動性が悪い
    フューエル インジェクタASSY油密不良
    始動不良診断フローの手順4以降を参照
    A
    上記以外
    1. フューエルポンプ作動不良
    2. スパーク プラグ
    3. イグニッション コイルASSY
    次の点検手順へ
    B



B
手順 5 へ
A

始動不良診断フローへ (要領は 参照)  

手順5問診
  1. 問診を実施し、運転条件を確認する。

    □ 参 考 □
    ショートトリップでの運転が多い場合、スパーク プラグ燻りによって始動不良が発生している可能性がある。


    結果

    結果
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    ショートトリップが多い
    1. スパーク プラグ
    2. イグニッション コイルASSY
    始動不良診断フローの手順13以降を参照
    次へ
    ショートトリップが多くない
    1. フューエル ポンプ作動不良
    2. スパーク プラグ
    3. イグニッション コイルASSY
    始動不良診断フローの手順9以降を参照


次へ

始動不良診断フローへ (要領は 参照)