DTC    P1603    エンスト検出

DTC    P1605    アイドル不安定

準備品一覧


回路説明


P1603:

エンジン始動後、イグニッション OR スタータ スイッチASSYの操作以外でエンジンが停止した場合にダイアグコードが記憶される。

ダイアグコードが記憶されたときの状況を、GTSを使用してフリーズフレームデータで確認することができる。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。

また、ガス欠によるエンストも記憶されるため、作業前にガス欠の有無を確認することが必要である。

P1605:

エンジン回転数が設定回転数より低下した場合に、ダイアグコードが記憶される。

ダイアグコードが記憶されたときの状況を、GTSを使用してフリーズフレームデータで確認することができる。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。

また、ガス欠によるアイドル不安定も検出されるため、作業前にガス欠の有無を確認することが必要である。


ダイアグコード
SAE/TCCS
P1603
P1605
DTC検出条件
診断条件
P1603
始動不良(P1604)検出終了後(始動後2秒以上経過)、かつエンジン回転中
P1605
始動後5秒以上経過、かつエンジン回転中
異常状態
P1603
イグニッション OR スタータ スイッチASSY操作以外で、エンジンが停止したとき(エンジン回転数が200rpm以下に低下したとき)
P1605
イグニッション OR スタータ スイッチASSY操作以外で、エンジン回転数が400rpm以下に低下したとき
異常期間
P1603
0.5秒以上
P1605
-
トリップ数
1トリップ
検出方法
常時モニター
検出に使用するセンサ/構成部品
クランクポジション センサ


トラブルエリア
点火系
  1. スパーク プラグ
  2. イグニッション コイルASSY
燃料系
  1. フューエル インジェクタASSY
  2. フューエル ポンプ
  3. フューエル ポンプ制御系統
  4. フューエルライン
  5. エバポパージ系統
  6. 燃料品質(異物混入·劣化含む)
吸排気系
  1. EGRシステム
  2. インテークエアフロー メータSUB-ASSY
  3. インテークエアシステム(接続不良、デポジット堆積)
  4. スロットル ボデーASSY(モータ ツキ)
  5. クウネンピ センサ
  6. オキシジェン センサ
  7. カムシャフトタイミングオイルコントロール バルブASSY
  8. 動弁系統(VVTシステム)
  9. ブレーキ ブースタASSY
その他制御系
  1. エンジンコントロール コンピュータ
  2. ワイヤハーネスまたはコネクター
  3. ノックコントロール センサ
  4. E.F.I. ウォータテンパラチャ センサ
本体系
  1. サーモスタット
  2. エンジン本体
  3. エンジンマウント
外部負荷要因
  1. エアコン系統
  2. パワーステアリング系統
  3. 電気負荷信号系統
  4. CVTシステム


点検手順



□ 参 考 □
  1. P1603およびP1605は、従来の部品、回路、システムの故障ダイアグと異なり、“エンストした”、“エンジンが振動する”などのお客様の指摘に対し、不具合現象、フリーズフレームデータから故障部品を判定するものである。お客様の操作により、ダイアグコードを検出する場合もあるため、ダイアグコードを出力していてもお客様からの不具合の相談が無ければ作業を行わず、ダイアグコードを消去して車両を返却する。
  2. 他のダイアグコードが表示されている場合は、先に該当するダイアグコードのトラブルシュートを行う。
  3. 問診結果の不具合発生時の状況(エンジンの止まり方、再始動時の状況など)があれば、参考にする。

症状
予想される不具合箇所
エンジンが振動しながらエンストする
  1. インテークエアフロー メータSUB-ASSYへの異物付着などによる出力異常の可能性
  2. クウネンピ センサ·オキシジェン センサ不良やエアーの吸い込み、燃料供給不足による空燃比異常の可能性
  3. EGR開固着による燃焼異常の可能性
エンジンが振動せずにエンストする
点火系、噴射停止、外部負荷大の可能性
アクセルレータペダルを踏んだ状態で始動可能
空気量不足の可能性
冷間温間時に問わず、エンスト、またはエンスト直後の始動性悪化を伴う
燃焼室内または吸気系デポジットの吸排気バルブへの一時的な噛み込みの可能性
  1. GTSを使用してフリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには、不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。
  2. マルチフリーズフレームデータ確認を行う時は、5データ確認する。
  3. P1603(エンスト検出)が検出されたときには、P1605(アイドル不安定)も検出される。マルチフリーズフレームデータを確認するときは、P1605を確認する。(エンジンコントロール コンピュータは先にP1605を検出する。よって、マルチフリーズフレームデータ(5 データ)はP1605で確認ができ、より多い情報を得られる。)
  4. マルチフリーズフレームデータ確認時、不具合原因に該当する項目が複数あった場合は、該当するすべての診断項目手順を進める。
  5. フリーズフレームデータに記録されている不具合発生時の状況とできるだけ同条件で走行、停車を行う。そのときのデータとアイドリング時のデータ(暖機後、無負荷、DおよびNポジション状態)を確認し、フリーズフレームデータと比較する。
  6. 点検は再現していないことを考慮し、不具合発生時の兆候·状況を確認することに重点を置く。
  7. 点検を行う時は、該当するワイヤハーネスおよびコネクターを振って、常時発生しない不具合の確認をより確実に行う。


手順1ダイアグコード読み取り
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果

    結果
    飛び先
    P1603、P1605が出力される
    A
    P1603、P1605以外にも、ダイアグコードが出力される
    B

    □ 参 考 □
    1. P1603またはP1605以外のダイアグコードが出力された場合、そのダイアグコードを先にトラブルシュートすること。
    2. マルチフリーズフレームデータを使用して、ダイアグコード検出時及び検出後のデータを確認することによって、トラブルシュートに役立てる。



B
関連するダイアグコードチャートへ (要領は 参照)
A


手順2フリーズフレームデータ確認(ISC流量学習値)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、マルチフリーズフレームデータでダイアグコード検出時の車両状況を確認する。(要領は参照)

    結果

    P1605のマルチフリーズフレームデータ項目
    結果
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    ISC流量学習値
    5.8L/s未満
    -
    次の点検手順へ
    A
    5.8L/s以上
    スロットル ボデーASSY(モータ ツキ)
    エンスト診断フローの手順11以降を参照
    B



B
エンスト診断フローへ (要領は 参照)
A


手順3フリーズフレームデータ確認(A/Fセンサ電圧、F/B補正値、F/B学習値)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、マルチフリーズフレームデータでダイアグコード検出時の車両状況を確認する。(要領は参照)

    結果

    P1605のマルチフリーズフレームデータ項目
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    A/Fセンサ電圧
    F/B補正値
    F/B学習値
    2.8Vから3.8V
    -15%から15%
    -15%から15%
    -
    次の手順へ
    A
    2.8V未満または3.8V以上
    -15%未満または15%以上
    -
    フューエルポンプ作動不良
    エンスト診断フローの手順22以降参照
    B
    2.8V未満または3.8V以上
    -15%未満または15%以上
    15%未満または15%以上
    1. インテークエアフロー メータSUB-ASSY
    2. クウネンピ センサ
    3. フューエルポンプ作動不良
    エンスト診断フローの手順16以降を参照*

    □ 参 考 □
    1. *: A/Fセンサ電圧、F/B補正値またはF/B学習値のいずれかが当てはまる場合は、不具合の可能性があるため点検を実施する。
    2. 燃料供給不足によるリーン状態により、A/Fセンサ電圧、F/B補正値の両方とも基準値に当てはまる場合は、フューエルポンプ作動不良の可能性があるため点検を実施する。



B
エンスト診断フローへ (要領は 参照)
A


手順4フリーズフレームデータ確認(エンジン負荷値)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、マルチフリーズフレームデータでダイアグコード検出時の車両状況を確認する。(要領は参照)

    結果

    P1605のマルチフリーズフレームデータ項目
    結果
    考えられる不具合要因
    処置内容
    飛び先
    エンジン負荷値
    正常値の+10%以上
    EGRバルブASSY
    エンスト診断フローの手順15以降参照
    次へ
    正常値の+10%未満
    -
    エンスト診断フローへ


次へ

エンスト診断フローへ (要領は 参照)