DTC    P2A00/21    A/FセンサB1S1応答劣化

準備品一覧


回路説明


回路説明は参照。


ダイアグコード
SAE/TCCS
P2A00/21
DTC検出条件
診断条件
以下の条件がすべて揃ったとき
  1. 空燃比フィードバック制御中
  2. クウネンピ センサ活性化
  3. エンジン回転数が4000rpm未満
  4. エンジン負荷が10 to 80%*1
  5. エンジン負荷が25 to 75%*2
  6. 吸入空気量が4.1 to 23.9g/s*1
  7. 吸入空気量が5.5 to 24g/s*2
  8. エンジン冷却水温が75°C以上
  9. フューエルカット中でない
  10. スロットルバルブが全閉でない
異常状態
クウネンピ センサの応答が判定値より遅い
異常期間
10秒以上
トリップ数
2トリップ
検出方法
1トリップ中に1回検出する。(判定後は検出を行わない)
検出に使用するセンサ/構成部品
メイン
  1. クウネンピ センサ
サブ
  1. スピードセンサ
  2. クランクポジション センサ
  3. インテークエアフロー メータSUB-ASSY
  4. E.F.I. ウォータテンパラチャセンサ
不具合箇所
  1. クウネンピ センサ
  2. インテークシステム
  3. 排気ガス漏れ
  4. フューエル ポンプ
  5. 燃料圧力
  6. フューエル インジェクタASSY
  7. フューエルライン
  8. EGR バルブASSY
  9. エンジンコントロール コンピュータ

  1. *1:駆動方式FF
  2. *2:駆動方式4WD


回路図


回路図は参照。


機能説明


検出概要
クウネンピ センサは、空燃比にほぼ比例した電圧を出力する。この出力電圧をもとにエンジンコントロール コンピュータは空燃比がリッチまたはリーンを判断し、フィードバック制御を行う。
エンジンコントロール コンピュータは、空燃比の変化に対するクウネンピ センサの応答が判定値以上に遅いと判断すると、ダイアグコードを記憶し、チェックエンジンウォーニングランプを点灯させる。

□ 参 考 □
エンジン暖機後、エンジンコントロール コンピュータは空燃比フィードバック制御を行って空燃比を理論レベルに維持する。さらに、事前条件が揃った後に約15 to 20秒以上アクティブ空燃比制御を行って、クウネンピ センサ反応率を測定する。アクティブ空燃比制御中は、通常の空燃比制御中に学習した理論空燃比をもとに、エンジンコントロール コンピュータは強制的に一定量の噴射量を増減させ、クウネンピ センサの反応率を測定する。エンジンコントロール コンピュータはアクティブ空燃比制御を行っている最中にクウネンピ センサより信号を受信し、その信号によってクウネンピ センサの反応率を計算する。クウネンピ センサ反応率が閾値未満であった場合、エンジンコントロール コンピュータはそれを不具合と判断し、ダイアグコードを記憶し、チェックエンジンウォーニングランプを点灯させる。


確認走行
確認走行を行うことにより、ダイアグコードの再現確認をすることができる。

■ 警 告 ■
この走行テストを行う時は、制限速度などの道路交通法を必ず守って実施すること。



A331094J01


  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)
  5. IG OFFにして、30秒間待機する。
  6. IG ONにする。
  7. GTSをONにする。
  8. エンジンを始動し、すべてのアクセサリスイッチをOFFにして、エンジン冷却水温が安定するまで暖機する。(エンジン冷却水温が75℃以上) (A)
  9. 車両を60km/hで10分以上走行する。(B)
  10. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。

    □ 参 考 □
    1. ダイアグコード(現在ダイアグコードおよび仮ダイアグコード)が出力する場合は、システムに異常がある。
    2. ダイアグコード(現在ダイアグコードおよび仮ダイアグコード)が出力しない場合は、以下に進む。

  11. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / 作業サポート / ダイアグ判定結果確認
  12. 次画面にて、確認を行うダイアグコードを入力する。
  13. 判定結果を確認する。

    表示項目
    内容
    正常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム正常
    異常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム異常
    判定中
    1. ダイアグコードの判定が未完了
    2. 検出条件を確認後、走行テストを実施
    判定不可
    1. ダイアグコードの判定が実施できない
    2. 前提条件が成立していないダイアグコード数がエンジンコントロール コンピュータに記憶できる上限に達している
    3. 検出条件を確認後、走行テストを実施
  14. 判定結果が判定中または判定不可の場合は、75から100km/hで10分以上走行(C)を行う。
  15. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / 作業サポート / ダイアグ判定結果確認
  16. 次画面にて、確認を行うダイアグコードを入力する。
  17. 判定結果を確認する。


点検手順


■ 注 意 ■
トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。


□ 参 考 □
  1. [B1S1]は[バンク1センサ1]を表し、センサ1は触媒の上流側(エンジンに近い側)に設置されているセンサを意味する。
  2. [B1S2]は[バンク1センサ2]を表し、センサ2は触媒の下流側(エンジンから遠い側)に設置されているセンサを意味する。
  3. クウネンピ センサの出力電圧は、リッチ空燃比に起因して低くなる。エンジンがリッチ空燃比で運転される状態を確認する。
  4. クウネンピ センサの出力電圧は、リーン空燃比に起因して高くなる。エンジンがリーン空燃比で運転される状態を確認する。
  5. GTSを使用してフリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。


手順1ダイアグコード読み取り
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果 
    結果
    飛び先
    P2A00/21が出力される
    A
    P2A00/21以外のダイアグコードも出力される
    B

    □ 参 考 □
    ダイアグコードP2A00/21以外のダイアグコードが出力された場合は、そのダイアグコードを先にトラブルシュートすること。



B
関連するダイアグコードチャートへ (要領は 参照)
A


手順2GTSアクティブテスト実施(燃料噴射量)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. エンジンを始動し、すべてのアクセサリスイッチをOFFにして、エンジン冷却水温が安定するまで暖機する。(エンジン冷却水温が75°C以上)

  1. エンジン回転数を2500rpmで約3分間保持して、各センサを暖機する。

  1. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / アクティブテスト / 燃料噴射量 / データモニタ / A/Fセンサ電圧B1S1、O2センサ電圧B1S2

  1. アイドリングにし、アクティブテストの[燃料噴射量]で燃料噴射量を増減させた時のデータモニタを読み取る。

    ■ 注 意 ■
    1. クウネンピ センサの出力電圧には数秒の遅れがあり、オキシジェン センサの出力電圧には最大約20秒の遅れがある。
    2. センサが冷えてしまうので、センサ暖機作業に引き続いて電圧を測定する。

    □ 参 考 □
    1. 燃料噴射量を-12%から12%まで変化させる。
    2. クウネンピ センサ出力電圧がほとんど反応しない場合、クウネンピ センサの不具合が考えられる。


    基準値

    データモニタ項目
    燃料噴射量
    クウネンピ センサおよびオキシジェン センサの出力電圧
    A/Fセンサ電圧B1S1
    12%増加
    3.1V未満(リッチ状態)
    -12%低下
    3.4V以上(リーン状態)
    O2センサ電圧B1S2
    12%増加
    0.55V以上(リッチ状態)
    -12%低下
    0.4V未満(リーン状態)


    結果 
    [A/Fセンサ電圧B1S1]結果
    [O2センサ電圧B1S2]結果
    点検条件
    空燃比、クウネンピ センサおよびオキシジェン センサの状態
    飛び先
    リッチ/リーン
    リッチ/リーン
    アクティブテスト
    -12% → 12%
    正常
    A
    リーン
    リーン
    リーン状態
    B
    リッチ
    リッチ
    リッチ状態
    B
    リーン
    リッチ/リーン
    クウネンピ センサ異常
    C
    リッチ
    リッチ/リーン
    クウネンピ センサ異常
    C

    □ 参 考 □
    1. データモニタ項目[A/Fセンサ電圧B1S1]および[O2センサ電圧B1S2]の詳細については“データモニタ/アクティブテスト”を参照。(要領は参照)
    2. データモニタ項目[F/B実施状態バンク1]が“実施中1”であれば、クウネンピ センサは正常と判断される。
    3. いずれかの状態でクウネンピ センサの出力電圧が約3.3Vのままである場合、クウネンピ センサ回路が断線している可能性がある。(クウネンピ センサヒータが断線している場合も起こる)
    4. いずれかの状態でクウネンピ センサの出力電圧が約3.8V以上または2.8V以下のままである場合、クウネンピ センサ回路が短絡している可能性がある。
    5. エンジンコントロール コンピュータはエンジン減速中は燃料噴射を停止する(フューエルカット)。これはリーン状態を引き起こし、クウネンピ センサ出力電圧の一時的な増加という結果となる。
    6. 車両走行時:
      空燃比が極端に濃い場合にクウネンピ センサの出力電圧が2.8V未満になることがあるが、(例として、追い越し時にアクセルレータペダルを完全に踏み込んだ状態の急加速)クウネンピ センサは正常に機能している。
    7. クウネンピ センサの出力は電流出力成分であり、エンジンコントロール コンピュータ内部で電流は電圧に変換される。クウネンピ センサコネクターまたはエンジンコントロール コンピュータコネクターで電圧を測定すると一定の電圧が表示される。



B
手順 5 へ

C
手順 10 へ
A


手順3ダイアグコード消去
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)

  1. IG OFFにして、30秒間待機する。


次へ


手順4作動確認運転実施
  1. 確認走行を行う。(機能説明の確認走行を参照)

  1. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / 作業サポート / ダイアグ判定結果確認

  1. 次画面にて、確認を行うダイアグコードを入力する。

  1. 判定結果を確認する。

    結果 
    結果
    飛び先
    正常
    A
    異常
    B

    □ 参 考 □

    表示項目
    内容
    正常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム正常
    異常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム異常
    判定中
    1. ダイアグコードの判定が未完了
    2. 検出条件を確認後、走行テストを実施
    判定不可
    1. ダイアグコードの判定が実施できない
    2. 前提条件が成立していないダイアグコード数がエンジンコントロール コンピュータに記憶できる上限に達している
    3. 検出条件を確認後、走行テストを実施



B
手順 10 へ
A

常時発生しない問題の点検 (要領は 参照)  

手順5クウネンピ センサ単体点検
  1. クウネンピ センサの単体点検を実施する。(要領は参照)

□ 参 考 □
クウネンピ センサを交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
クウネンピ センサ交換 (要領は 参照)
OK


手順6インテークシステム点検
  1. 吸気系の各部(ホース類のはずれ、ガスケットからのエアーの吸い込み)よりエアーの吸い込みがないことを確認する。(要領は参照)

    基準
    エアーの吸い込みがない

□ 参 考 □
インテークシステムを修理または交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
インテークシステム修理または交換
OK


手順7排気ガス漏れ点検
  1. 排気管のつなぎ目および各センサの取り付け部から排気漏れがないことを確認する。

    基準
    排気漏れをしていない

□ 参 考 □
排気ガス漏れを修理した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
排気ガス漏れ修理
OK


手順8燃圧点検
  1. 燃圧点検を実施する。(要領は参照)



NG
手順 18 へ
OK


手順9フューエル インジェクタASSY単体点検
  1. フューエル インジェクタASSYの単体点検を実施する。(要領は参照)

□ 参 考 □
フューエル インジェクタASSYを交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
フューエル インジェクタASSY交換 (要領は 参照)
OK


手順10クウネンピ センサ交換
  1. クウネンピ センサを交換する。(要領は参照)

□ 参 考 □
クウネンピ センサを交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)


次へ


手順11ダイアグコード消去
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)

  1. IG OFFにして、30秒間待機する。


次へ


手順12作動確認運転実施
  1. 確認走行を行う。(機能説明の確認走行を参照)

  1. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / 作業サポート / ダイアグ判定結果確認

  1. 次画面にて、確認を行うダイアグコードを入力する。

  1. 判定結果を確認する。

    結果 
    結果
    飛び先
    異常
    A
    正常
    B

    □ 参 考 □

    表示項目
    内容
    正常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム正常
    異常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム異常
    判定中
    1. ダイアグコードの判定が未完了
    2. 検出条件を確認後、走行テストを実施
    判定不可
    1. ダイアグコードの判定が実施できない
    2. 前提条件が成立していないダイアグコード数がエンジンコントロール コンピュータに記憶できる上限に達している
    3. 検出条件を確認後、走行テストを実施



B
終了
A


手順13GTSアクティブテスト実施(EGRステップ数)
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ON にする。

  1. GTS をON にする。

  1. エンジンを始動し、すべてのアクセサリスイッチをOFFにして、エンジン冷却水温が安定するまで暖機する。(エンジン冷却水温が75°C以上)

  1. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / アクティブテスト / EGRステップ数 / データモニタ / エンジン回転数、アイドルSW

  1. アクティブテスト実行中のデータモニタを確認する。

    基準
    アクティブテストの駆動指数に応じて[エンジン回転数]が変化する


    確認項目
    EGRステップ数(アクティブテスト)
    0step
    0 → 30step(アイドル時)
    アイドリング状態
    安定している
    安定 → ラフアイドルまたはエンスト

    ■ 注 意 ■
    1. EGRステップ数を30step以上行わない。
    2. アクティブテスト実施時には、EGR バルブASSYが開いた状態を10秒以上継続しない。
    3. アクティブテスト実施後は、EGRステップ数を必ず0stepに戻してから終了する。

    □ 参 考 □
    1. アクティブテスト実施時は、データモニタで[アイドルSW]がONであることを確認する。
    2. アクティブテスト実施時アイドリング状態に変化が見られなければEGR バルブASSYの故障が考えられる。


    結果 
    結果
    飛び先
    異常
    A
    正常
    B



B
手順 15 へ
A


手順14EGR バルブASSY点検
  1. EGR バルブASSYを取りはずす。(要領は参照)

  1. バルブが閉じていることを確認する。

    基準
    バルブがすき間なく閉じている

□ 参 考 □
EGR バルブASSYを交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
EGR バルブASSY交換 (要領は 参照)
OK


手順15エンジンコントロール コンピュータ交換
  1. エンジンコントロール コンピュータを交換する。(要領は参照)


次へ


手順16ダイアグコード消去
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)

  1. IG OFFにして、30秒間待機する。


次へ


手順17作動確認運転実施
  1. 確認走行を行う。(機能説明の確認走行を参照)

  1. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / 作業サポート / ダイアグ判定結果確認

  1. 次画面にて、確認を行うダイアグコードを入力する。

  1. 判定結果を確認する。

    □ 参 考 □

    表示項目
    内容
    正常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム正常
    異常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム異常
    判定中
    1. ダイアグコードの判定が未完了
    2. 検出条件を確認後、走行テストを実施
    判定不可
    1. ダイアグコードの判定が実施できない
    2. 前提条件が成立していないダイアグコード数がエンジンコントロール コンピュータに記憶できる上限に達している
    3. 検出条件を確認後、走行テストを実施


次へ

終了 

手順18フューエル ポンプ単体点検
  1. フューエル ポンプの単体点検を実施する。(要領は参照)

□ 参 考 □
フューエル ポンプを交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
フューエル ポンプ交換 (要領は 参照)
OK

フューエルライン修理または交換