DTC    P0031/21    O2(A/F)センサヒータ性能低下B1S1

DTC    P0032/21    O2(A/F)センサヒータ過電流B1S1

DTC    P101D/89    A/Fセンサヒータ回路異常B1S1

準備品一覧


回路説明


クウネンピ センサ(A/Fセンサ)は実際の空燃比に応じた電圧*1を発生させる。このセンサ電圧は、エンジンコントロール コンピュータが空燃比を制御することができるように、エンジンコントロール コンピュータにフィードバックとして送られる。この信号をもとに、エンジンコントロール コンピュータは理論空燃比レベルからの逸脱を判断し、燃料噴射時間を制御する。クウネンピ センサは平面タイプで、固体電解質(ジルコニア素材)を温めるヒータと一体になっている。このヒータはエンジンコントロール コンピュータによって制御されている。吸入空気量が少ない(排気ガス温度が低い)時は、電流がヒータに流れてセンサを温め、正しい酸素含有検知を容易にする。さらに、センサとヒータ部分は従来のものより狭くなっている。ヒータによって発生する熱はアルミナを介して固形電解質へ伝わり、それによりセンサ作動が促進される。排気ガス内の一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を高い浄化率にするために、三元触媒コンバータは使われる。コンバータの有効的な利用で、空燃比をできるだけ理論的レベルに常に近づくように、空燃比は精密に制御される。

*1:数値はエンジンコントロール コンピュータ内部で変化する。クウネンピ センサは電流出力成分なので、エンジンコントロール コンピュータ内部で電流は電圧に変換される。クウネンピ センサまたはエンジンコントロール コンピュータコネクターで測定すると一定の電圧が表示される。


A246568J04


□ 参 考 □
  1. ダイアグコード名称はO2センサ(オキシジェンセンサ)となっているが、これらのダイアグコードはクウネンピ センサに関連するものである。
  2. センサ1は三元触媒の前方、エンジン付近に取り付けられたセンサを指す。
  3. これらダイアグコードのうちどれか1つでも記憶されると、エンジンコントロール コンピュータはフェイルセーフモードに入る。フェイルセーフモード作動中、エンジンコントロール コンピュータはクウネンピ センサのヒータをオフにする。IG OFFにするまで、フェイルセーフモードでの動作を続ける。



ダイアグコード
SAE/TCCS
P0031/21
P0032/21
P101D/89
DTC検出条件
診断条件
P0031/21
IG ON
P0032/21
クウネンピ センサヒータ作動中
P101D/89
クウネンピ センサヒータ過電流異常時(ヒータ作動OFF)
異常状態
P0031/21
クウネンピ センサヒータ電流値0.8A未満
P0032/21
クウネンピ センサヒータ過電流を検出
P101D/89
クウネンピ センサヒータを強制的にOFFさせたにも関わらずクウネンピ センサ過電流を検出
異常期間
P0031/21
10秒以上
P0032/21
約10秒以上
P101D/89
1秒以上
トリップ数
1トリップ
検出方法
常時モニター
検出に使用するセンサ/構成部品
クウネンピ センサヒータ
不具合箇所
  1. クウネンピ センサ
  2. ワイヤハーネスまたはコネクター
  3. エンジンコントロール コンピュータ


回路図



A331104J01



機能説明


検出概要
加熱されるとクウネンピ センサは非常に能率的になる。排気ガス温度が低い時、クウネンピ センサは補足加熱なしでは有用な電圧信号を発生できない。そのため、クウネンピ センサはジルコニウムエレメントを暖めるヒータを持っており、エンジンコントロール コンピュータは、デューティサイクルアプローチを使用して補足過熱を規制し、ジルコニウムエレメントの平均電流を調整する。
クウネンピ センサヒータの電流量が正常範囲外の場合、クウネンピ センサが出力する電圧信号は不正確になる。その結果、エンジンコントロール コンピュータは空燃比を正しく制御することができなくなる。クウネンピ センサの電流量が正常範囲外の場合、エンジンコントロール コンピュータはチェックエンジンウォーニングランプを点灯し、ダイアグコードを記憶する。

確認走行
確認走行を行うことにより、ダイアグコードの再現確認をすることができる。


A331080J01

  1. DLC3にGTSを接続する。
  2. IG ONにする。
  3. GTSをONにする。
  4. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)
  5. IG OFFにして、30秒間待機する。
  6. IG ONにする。(A)
  7. GTSをONにする。
  8. エンジンを始動する。
  9. 5分以上アイドリングする。(B)
  10. 車両停止状態でアクセルレータペダルを踏み込み、3000rpmで約1分間保持し(C)、5分以上アイドリングする(D)。
  11. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。

    □ 参 考 □
    1. ダイアグコード(現在ダイアグコードおよび仮ダイアグコード)が出力する場合は、システムに異常がある。
    2. ダイアグコード(現在ダイアグコードおよび仮ダイアグコード)が出力しない場合は、以下に進む。

  12. GTSを使用して、以下のメニュー項目を選択する。: パワートレイン / エンジン / 作業サポート / ダイアグ判定結果確認
  13. 次画面にて、確認を行うダイアグコードを入力する。
  14. 判定結果を確認する。

    表示項目
    内容
    正常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム正常
    異常
    1. ダイアグコードの判定が完了
    2. システム異常
    判定中
    1. ダイアグコードの判定が未完了
    2. 検出条件を確認後、走行テストを実施
    判定不可
    1. ダイアグコードの判定が実施できない
    2. 前提条件が成立していないダイアグコード数がエンジンコントロール コンピュータに記憶できる上限に達している
    3. 検出条件を確認後、走行テストを実施
  15. 判定結果が判定中または判定不可の場合は、再度確認走行を実施し、判定結果を確認する。


点検手順


■ 注 意 ■
トラブルシュートを実施する前に、この回路のヒューズを点検すること。


□ 参 考 □
  1. GTSを使用してフリーズフレームデータを読み取る。フリーズフレームデータには不具合発生時のエンジン稼動状態の一部が記録されており、それらの情報がトラブルシュートを行う際に役立つ。
  2. クウネンピ センサヒータを加熱しているかは、データモニタ項目[A/FヒータDuty比#1]を確認する。(要領は参照)
  3. アクティブテストの[燃料噴射量]で燃料噴射量を増減させた時のクウネンピ センサの出力電圧を読み取る。クウネンピ センサ出力電圧がほとんど反応しない場合、クウネンピ センサの不具合が考えられる。(要領は参照)
  4. ワイヤハーネスおよびコネクターの点検要領および注意事項は参照。


手順1クウネンピ センサ単体点検
  1. クウネンピ センサの単体点検を実施する。(要領は参照)

    □ 参 考 □
    クウネンピ センサを交換した後は修理後点検を行う。(要領は参照)



NG
クウネンピ センサ交換 (要領は 参照)
OK


手順2ワイヤハーネスおよびコネクター点検(クウネンピ センサヒータ電源回路)


    A331081J01
  1. クウネンピ センサのコネクターを切り離す。

  1. IG ONにする。

  1. 車両側コネクターの電圧を測定する。

    電圧値
    点検端子
    点検条件
    基準値
    B70-2(+B) - ボデーアース
    IG ON
    11 to 14V

    イラスト内指示文字 
    *a
    車両ワイヤハーネスコネクター前側
    (クウネンピ センサ接続コネクター)



NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換(クウネンピ センサ - EFI MAINリレー)
OK


手順3ワイヤハーネスおよびコネクター点検(エンジンコントロール コンピュータ - クウネンピ センサ)
  1. エンジンコントロール コンピュータのコネクターを切り離す。

  1. クウネンピ センサのコネクターを切り離す。

  1. 端子間の抵抗を測定する。(端子配列は参照)

    抵抗値

    点検端子
    点検条件
    基準値
    B67-23(HA1A) - B70-1(HA1A)
    常時
    1Ω未満
    B67-23(HA1A)およびB70-1(HA1A) - 他の端子間およびボデーアース間
    常時
    10kΩ以上



NG
ワイヤハーネスまたはコネクター修理または交換
OK


手順4ダイアグコード消去
  1. DLC3にGTSを接続する。

  1. IG ONにする。

  1. GTSをONにする。

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを消去する。(要領は参照)

  1. IG OFF にして、30秒間待機する。


次へ


手順5作動確認運転実施
  1. 確認走行を行う。(機能説明の確認走行を参照)

  1. GTSの画面表示に従い、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

    結果 
    結果
    飛び先
    P0031/21、P0032/21、P101D/89が出力される
    A
    ダイアグコードが出力されない
    B



B
常時発生しない問題の点検 (要領は 参照)
A

エンジンコントロール コンピュータ交換 (要領は 参照)