ヒータ&エアコンデイシヨナシステム  機能点検

準備品一覧



1. 冷房性能点検
  1. エアコンツールセットを車両に取り付ける。

  2. 次の条件に車両をセットする。[*1]

    項目
    条件
    車体
    日陰の停車状態
    ドア
    全開
    A/Cスイッチ
    ON
    エンジン回転数
    1500 r/min
    内外気切り替えダンパー位置
    内気位置
    吹き出し口ダンパー位置
    FACE
    設定温度
    LO(MAX COLD)
    ブロワレベル
    HI
    エアコン吸い込み口温度*2
    25 to 35°C
    コンデンサ圧力(ゲージ高圧側)*3
    1.37 to 1.57 MPaG(14 to 16 kgf/cm2)

    □ 参 考 □
    *2···吸い込み口空気温度は、25 to 35°Cの範囲でないと確かな判定ができないので、温度が低い場合はテストを延期する。
    *3···コンデンサ圧力(ゲージ高圧側)が高い場合、コンデンサに水をかけて低くし、逆に低すぎるときはコンデンサの前にカバーをして高くする。

  3. 空気吸い込み口に乾湿温度計(湿度を求めるのに必要)を置き、吹き出し口中央部に乾球温度計の球部を差し込み測定する。

  4. [*1]の条件でエアコンを作動させ、吹き出し口温度を安定させる。(約5 to 6分)

  5. 吸い込み口の乾球温度および湿球温度と吹き出し口温度を測定する。



  6. 吸い込み口の乾湿温度の測定値を空気線図にあてはめて相対湿度を求める。


    E225723J01


    イラスト内指示文字 
    *a
    乾球温度(°C)
    *b
    湿球温度(°C)
    *c
    相対湿度(%)
    -
    -



      E225724J01
    1. 相対湿度の求め方として、空気吸い込み口にセットした乾湿温度計の乾球温度が25°Cで、湿球温度が19.5°Cであった場合は図の点線の交点が相対湿度であり、この場合は60%である。
      イラスト内指示文字 
      *a
      例
      *b
      乾球温度(°C)
      *c
      湿球温度(°C)



  7. 測定した吸い込み口温度と吹き出し口温度の差と相対湿度を標準性能表にあてはめて冷房性能を点検する。


    E225727J01


    イラスト内指示文字 
    *a
    吸込口·吹出口温度差(°C)
    *b
    相対湿度(%)

    基準
    図の斜線部の範囲に入っていること




      E225728J01
    1. 標準性能表を使用した冷房性能の求め方として、空気吸い込み口の乾球温度と吹き出し口の乾球温度の差が17°Cで、相対湿度が60%であった場合を示す。
      イラスト内指示文字 
      *a
      吸込口·吹出口温度差(°C)
      *b
      相対湿度(%)
      *c
      交点



2. 冷媒ガス圧力点検


    E301415
  1. 通常制御での冷媒量判定(ダイアグコード出力の有無を確認)

    1. エンジンを始動して、次の条件に車両をセットする。[*1]
      項目
      条件
      A/Cスイッチ
      ON
      エアコン作動時間
      15 分以上
      外気温度*2
      0 to 49°C
      エンジン冷却水温
      45°C以上

      □ 参 考 □
      *2: 外気温度は、0 to 49°Cの範囲でないと確かな判定ができないので、温度が低い場合はテストを延期する。

    2. [*1]の状態でA/Cスイッチのインジケータランプの点灯を点検する。

      □ 参 考 □
      冷媒量が不十分である場合、コンプレッサの焼き付き防止のため11 分後にエアコンが作動停止し、インジケータランプが点灯→消灯する。

    3. [*1]の状態でGTSを使用して、ダイアグコードを確認する。(要領は参照)

      点検結果 
      画面表示
      診断
      処置
      ダイアグコードB14B8 が出力される
      冷媒ガスが空またはほとんど空
      冷媒ガス漏れがないか調べ、必要であれば修理する(要領は参照)
      ダイアグコードB14B8 が出力されない
      冷媒ガスが適正または不十分
      GTSによる冷媒量点検を実施する

  2. GTSによる冷媒量点検

    1. GTSをDLC3に接続する。

    2. エンジンを始動して、次の条件に車両をセットする。[*1]
      項目
      条件
      A/Cスイッチ
      ON
      外気温度*2
      0 to 49°C
      ブロワレベル
      HI

      □ 参 考 □
      *2: 外気温度は、0 to 49°Cの範囲でないと確かな判定ができないので、温度が低い場合はテストを延期する。

    3. [*1]の状態でGTSを操作し、画面を[作業サポート]→[冷媒ガス量判定]の順に選択する。

      ■ 注 意 ■
      点検条件を満たさない状態でGTSを操作した場合、「判定に失敗しました」と表示されるので、「はい」を選択して、前画面に戻る。

      □ 参 考 □
      1. 冷媒量が不十分である場合、画面に「冷媒ガス量が不足しています」と表示され、A/Cスイッチのインジケータランプが消灯する。
      2. この点検時は、「冷媒ガス量が不足しています」と表示されても、ダイアグコードは出力されない。


      点検結果 
      画面表示
      診断
      処置
      冷媒ガス量が不足しています
      1. 冷媒ガスが少ない
      2. 冷媒ガス漏れ
      1. 冷媒ガス漏れがないか調べ、必要であれば修理する
      2. 真空引き後、新しい冷媒ガスを適量入れる
      ガス量は正常範囲でした
      冷媒ガスは適正量
      -



  3. ゲージによる冷媒圧力点検


    E100247J17


    イラスト内指示文字 
    *a
    ゲージ指示値参考データ
    *b
    低圧側圧力MPa {kgf/cm2}
    *c
    高圧側圧力MPa {kgf/cm2}
    *d
    ブロアHI領域
    *e
    ブロアLO領域
    -
    -

    1. エアコンツールセットを取り付ける。

    2. 次の条件に車両をセットする。[*1]
      項目
      条件
      エンジン
      暖機後
      ドア
      全開
      A/Cスイッチ
      ON
      エンジン回転数
      1500 r/min
      内気切り替えスイッチ
      内気位置
      設定温度表示
      LO(MAX COLD)
      ブロワレベル
      レベル4(HI)
      エアコン吸い込み口温度
      25 to 35°C

    3. [*1]の状態で、ゲージの数値を点検する。

      基準値
      0.15 to 0.25 MPaG(1.5 to 2.5 kgf/cm2)(低圧側)
      1.37 to 1.57 MPaG(14 to 16 kgf/cm2)(高圧側)

      □ 参 考 □
      基準値は、冷媒ガス充てん量正常時を示す。

    4. [*1]の状態で、ゲージの数値を点検する。


      1. E114867J03
        正常時
        イラスト内指示文字 
        *a
        LO
        *b
        HI

        基準値
        0.15 to 0.25 MPa(1.5 to 2.5 kgf/cm2)(低圧側)
        1.37 to 1.57 MPa(14 to 16 kgf/cm2)(高圧側)

        □ 参 考 □
        イラストは、冷媒ガス充てん量正常時のゲージ状態を示す。

      2. 異常時

        1. E225742J01
          例:冷房を作動中、低圧側の圧力が真空になったり、正常になったりする
          基準値測定結果 
          症状
          周期的に冷たくなったり、冷たくならなかったりする
          原因
          冷却システムに入った水分がクーラエキスパンションバルブ口で凍結し、一時的に冷媒が循環しなくなるが、氷が溶けた後、正常な状態に回復する
          診断
          1. クーラドライヤが過飽和状態
          2. 冷却システムの水分がクーラエキスパンションバルブ口で凍結し、冷媒ガスの循環を遮っている
          処置
          1. クーラ コンデンサASSYを交換する
          2. 繰り返し空気を抜くことによってサイクル内の水分を除去する
          3. 新しい冷媒ガスを適量注入する
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、冷却システムに水分が混入している場合のゲージ状態を示す。


        2. E225743J01
          例:低高圧両側の圧力が低い
          基準値測定結果 
          症状
          1. 冷房の効きが悪い
          2. 冷却の性能が充分ではない
          原因
          冷却システムのどこかにガス漏れがある
          診断
          1. 冷媒ガスが少ない
          2. 冷媒ガス漏れ
          処置
          1. 冷媒ガス漏れがないか調べ、必要であれば修理する
          2. 新しい冷媒ガスを適量注入する
          3. ゲージに接続したときの圧力指示値0に近ければ漏れ箇所を点検し修理後、真空引き作業を行うこと
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、冷房の効きが悪い場合のゲージ状態を示す。


        3. E225744J01
          例:低高圧両側の圧力が低く、クーラ コンデンサASSYからA/Cユニットへ接続する配管に露ができる
          基準値測定結果 
          症状
          冷房の効きが悪い
          原因
          クーラコンデンサコア内のほこりによって冷媒の流れが遮られている
          診断
          クーラコンデンサコアの詰まり
          処置
          クーラ コンデンサASSYを交換する
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、冷媒ガスの効きが悪い場合のゲージ状態を示す。


        4. E225745J01
          例:低高圧両側の圧力が低く、クーラコンデンサコアまたはクーラエキスパンションバルブの前後の配管に霧あるいは露が見られる
          基準値測定結果 
          症状
          冷房が効かない(ときどき効く場合もある)
          原因
          1. 冷媒ガスの流れが冷却システムの水分またはほこりによって遮られている
          2. 冷媒ガスの流れがクーラエキスパンションバルブから冷媒ガス漏れによって遮られている
          診断
          冷媒ガスが循環しない
          処置
          1. クーラエキスパンションバルブを調べる
          2. クーラエキスパンションバルブ内のほこりをエアガンによって除去する
          3. クーラ コンデンサASSYを交換する
          4. 真空引き後、新しい冷媒ガスを適量入れる
          5. クーラエキスパンションバルブからの冷媒ガス漏れの場合、クーラエキスパンションバルブを交換する
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、冷媒ガスが循環しない場合のゲージ状態を示す。


        5. E225746J01
          例:低高圧両側の圧力が高すぎる
          基準値測定結果 
          症状
          冷房の効きが悪い
          原因
          1. 冷媒ガスの流れが冷却システムの水分またはほこりによって遮られている
          2. 冷媒ガスの流れがクーラエキスパンションバルブから冷媒ガス漏れによって遮られている
          診断
          1. 冷媒過多
          2. クーラコンデンサコアの冷却が不充分
          処置
          1. クーラコンデンサコアフィンを清掃する
          2. コンデンサファンモータの作動を確認する
          3. 冷媒量を調べ、冷媒を適量注入する
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、冷媒ガスの入れすぎまたはクーラコンデンサコアの冷却が不充分の場合のゲージ状態を示す。


        6. E225747J01
          例:低高圧両側の圧力が高く、低圧配管が触れないほど熱い
          基準値測定結果 
          症状
          冷房が効かない
          原因
          冷却システムにエア混入
          診断
          1. 冷却システムにエアが混入している
          2. 真空引きが不充分
          処置
          1. コンプレッサオイルが汚れていないか、不充分ではないか確認する
          2. 真空引き後、新しい冷媒ガスを注入する
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          1. 留意点:ゲージ表示は真空引きを行わずに冷却システムが開き冷媒が注入される場合に表示される
          2. イラストは、冷媒システムにエアが混入している場合のゲージ状態を示す。


        7. E225748J01
          例:低高圧両側の圧力が高く、低圧側に霧または露が付着する
          基準値測定結果 
          症状
          冷房の効きが悪い
          原因
          クーラエキスパンションバルブのトラブル
          診断
          1. 低圧配管の冷媒過多
          2. クーラエキスパンションバルブの開けすぎ
          処置
          クーラエキスパンションバルブを交換
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、クーラエキスパンションバルブが不適正の場合のゲージ状態を示す。


        8. E225749J01
          例:低圧側の圧力が高く、高圧側の圧力が低い
          基準値測定結果 
          症状
          冷房が効かない
          原因
          コンプレッサASSY(プーリ ツキ)内圧縮の漏れ
          診断
          1. 圧縮不良
          2. バルブ漏れまたは摺動部品の破損
          処置
          コンプレッサASSY(プーリ ツキ)の修理または交換
          イラスト内指示文字 
          *a
          LO
          *b
          HI

          □ 参 考 □
          イラストは、コンプレッサASSY(プーリ ツキ)の圧縮不良の場合のゲージ状態を示す。



3. クーラコンデンサASSY点検
  1. クーラ コンデンサASSYのフィンに汚れがある場合、水で洗浄しコンプレッサエアーで乾燥させる。

    ■ 注 意 ■
    クーラ コンデンサASSYのフィンに傷をつけないこと。

  2. クーラ コンデンサASSYのフィンが曲った場合、ドライバーまたはプライヤーでフィンをまっすぐにさせる。



4. 冷媒ガス漏れ点検
  1. ハロゲンリークディテクターを使用して、配管の接合部のガス漏れを点検する。

  2. 配管の接合部にガス漏れがある場合は、ジョイント部の締め付けトルクを確認する。